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見た映画と本の感想を、悪文かまわず吐き出しております。やや毒舌が多いのでご注意を。
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「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」を読みました。

ジョジョで有名な荒木先生が、あの漫画を執筆するに辺り、
少なからず影響を受けているであろうホラー映画の数々を、
淡々とした文調で紹介している本です。


紹介されている映画は、どれもホラー映画や映画に馴染みのある人ならば
耳にした事のある有名作ばかりなので、
この本に従って鑑賞しても、ほぼ満足出来るものばかりだと思います。



本の内容を詳しく突っ込んで話すと長くなるので、気になった点を二つだけ。





一つ目。

荒木先生からすれば、ゾンビ映画は「癒されるホラー映画」であるという事。

ちょっとよく分かりませんでした(笑)

しかし、「ランド・オブ・ザ・デッド」のリーダーゾンビに異論を唱え、
ゾンビとは無個性で等しく自由であると言う理論には、成る程と膝を打ちました。
その無個性の集団こそがゾンビであり、ゾンビの不気味な怖さの特徴で、
ゾンビ映画だけが持つ妙味でしょう。



二つ目。 荒木先生の文章が凪ぎの海のように優しい事。


紹介されているのはどれもおぞましいホラー作品ばかりです。
中には「ブレインデッド」「バタリアン」「変態村」と言う、
一部のカルト映画ファン御用達の映画も混じっているのですが、
それも含めて、荒木先生の文体がまことに穏やかで落ち着いており、
まるで名画を紹介しているような、言葉が心に染み入る一冊に仕上がっております。
どれも血みどろの惨殺劇なのに、荒木先生の文章があまりに長閑です。

大体、自分も見た映画ばかりなので、この本を読んでいると、
「えーと・・そんな映画だったっけ」と言う、率直な感想を浮かべてしまいました。

特に「悪魔のいけにえ」は、ホラー映画の中ではトップクラスの好きな映画で、
繰り返し何度も見ているからか、淡々と細やかに感想を語られると、
そんな名作だったかとうろたえてしまいます。
いや、まぁ、名作と言えば名作ですが・・・(笑)
こうも丁寧に絶賛されると、レザーフェイスも照れてしまいそうです。



そう言えば、ジョジョを読んだ後に著者の写真を見て、
あまりに漫画とは乖離した優しそうな顔に、
「こんな人があんなメメタァな漫画を描いているのか・・・」と、驚いた記憶があります。


単に私が、カルトホラー映画レビューサイトやB級映画論ばかりを普段から見ていて、
ちゃんとしたホラー映画論をろくに読んだ事がないから、感じる違和感なのかもしれません。



ともあれ、ジョジョ好きならば、
あのジョジョがどんな影響を受けて描かれたのかを知る一助にもなりますので、
ぜひオススメの一冊です。
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