忍者ブログ
ID4
見た映画と本の感想を、悪文かまわず吐き出しております。やや毒舌が多いのでご注意を。
Admin  +   Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


絵



「バットマン ダークナイトライジング」


あらすじ
ビギンズ、ダークナイトに続く完結編(?)

 


感想
今年一番の映画でした。

前作2つも含め、ネタバレしまくってますので見てない人は決して読まないように。
バットマンはDCコミック原作には全くのノータッチで、調べてもいないので、クリスチャン・ベイル映画準拠での感想になります。


物凄く長い感想文で駄文なので、読まれる人はご覚悟遊ばせ。


「ビギンズ」は映画館で見たけれど、「ダークナイト」はDVDで鑑賞しました。
「ビギンズ」はあのクリスチャン・ベイルがバットマンを演じると言うので見に行き、NINJAの登場で苦笑してしまった思い出しかありません。豪華キャストでアクションも面白かったけれど、NINJAしか印象に残りませんでした。(NINJAであって忍者であらず。外人さんは、なんであんなに忍者が好きなのに完全に忍者を誤解しているのか・・・・笑)


それに続く「ダークナイト」は、ヒロインの役者が変わってしまっただけでなく、あらゆる点で「ビギンズ」とは一線を画し、本国での評価が非常に高く、日本でも大絶賛された超一級品の映画でした。
故ヒース・レジャーのジョーカーは彼の名演技とその奇妙なキャラクター性によって、「ダークナイト」での真の主役だったと言っても過言ではありません。

その上で、ストーリーもジョーカーだけに頼る事なく、改めてバットマンが己の存在意義を考え、正義とは何かと言うテーマに真っ向から取り組んだものでした。ヒロインの死、正義との葛藤、ヒーローの存在意義や使命・・・・とテーマが重く、終わり方は決して気持ちのいいものではなかったと思います。

内容もアクションもキャラクターも、魅せるものが多くてあまりにも面白かったので、後味が悪い思いをする事はないのですが・・・・・私としては何度も見たい映画ではありませんでした。
(まぁ、私はジョーカーにはあまり興味がそそられず、むしろアーロン・エッカート演じるハービー・デント(トゥーフェイス)の葛藤にこそ強く惹かれたんでね・・・・。あと、マギー・ギレンホールはケイティ・ホームズより好きな役者とはいえ、ヒロインが明らかに違うタイプの女性に代わってしまうのはちょっとヤダね。事情が事情なんだからしょうがないけど・・・・)


で、その大傑作「ダークナイト」から続く今作。
世間的には、否が応でもハードルは高くならざるをえません。
そもそも、あんな完璧に終わらせてしまった「ダークナイト」に続編を作る事自体が無謀では?!とも思ってました。
内容も全く想像つきませんでしたし、どうやって続ける気なんだろうと不思議でした。
自分はあまりバットマンに思い入れもないので、映画館で見る気もなかったぐらいです。
 

ただ、アン・ハサウェイがキャットウーマンを演じると知り、これはぜひとも映画館でハサウェイキャットを見なければ!と思っただけ・・・本当にそれだけの為に映画館に行きました。
(キャスト的には好きな人が沢山出てるんだけどね・・・・)
 

見に行くとなれば、「ビギンズ」も「ダークナイト」も既に見ているので、他に予備知識を仕入れる事なく、フラリと劇場に足を運びました。
そして・・・・・・・・・あまりの大傑作に鑑賞中から顔がにやけるのが止まらず大興奮!!!
終わった後は速攻でパンフレットを買い求め、思い返すだけでも楽しいし早く誰かと語りたくて感想も読みたくてしょうがなかったくらいです。
期待していなかった分、ややハードルが低かったのかもしれませんが・・・・そういうの関係なく、なんつっても自分好みの映画だったからです!!!

 


まずはストーリー
「ダークナイト」で愛する者を亡くし、全ての罪を被ってヒーローも引退したブルース。反対に、デント法によって平和を謳歌するゴッサムシティの人々。自分の中で決着をつけたブルースやデントと違い、真相を知ってるが故に一人苦しむゴードン本部長。
あの犠牲の上での束の間の幸せが終わり、再びゴッサムシティを襲ったのはかつて「ビギンズ」で決別した『影の同盟』の後継者だった。

今作の敵ベインは見た目もガチムチ、とても話し合って和解出来るタイプにも見えず、力押しの割りに細かな気配りや小粋な演出も出来る、知性的かつ肉体派テロリスト。業突く共を利用してブルースの財産を奪って丸裸にした上、彼の保有していた核エネルギーを奪って、ゴッサムシティを孤立化させます。更に、警察官を地下に閉じ込め、無法地帯を作り上げるのです。
こうなってしまっては、引きこもりブルースも怪我した体に鞭打って現役カムバックせざるをえません。
彼のカムバックを信じていたのは、真相を知っているゴードンとヒーローを信じていた元少年で現警察のブレイク刑事ぐらいで、ろくに味方はいませんでした。
前作から引き続いて踏んだり蹴ったりのブルース。引きこもり生活を続けた挙句、ヒーローに戻った所為で、保護者アルフレッドまで去ってしまう始末。しかもせっかくヒーローに戻ったのに、脱獄不可能の監獄にぶち込まれてしまいます。
絶体絶命のピンチ。

しかし、そこから一縷の望みを信じてブレイクやゴードンが立ち上がって他の警察を鼓舞し、ブルースもようやく恐怖と向き合う勇気を得るのです。
この流れが素晴らしい・・・・!!!!!!!!!!
合間合間に現れる、敵か味方か分からないキャットウーマンの存在も、美味しいし面白い!

最終的に驚くべき真相が明かされ、爆弾解除に為す術無しと判断したバットマンが爆弾背負って飛んでいっちまうんですが・・・・ここで終わってたら良かったと思う人と、ここで終わらなくて良かったと考える人によって今作は評価が分かれるかもしれませんね。
私の場合は、ここで終わってたら評価は「ダークナイト」と同じぐらいでしたでしょう。
・・・つまり、ここで終わらなかったからこそ、私の中では最高傑作になったんです!!!ヒャッホウ。



この面白さは「ビギンズ」と「ダークナイト」があったからこそであり、「ビギンズ」がアンティパスト(前菜)で「ダークナイト」がプリモピアット(第一の主菜)で「ライジング」がセコンドピアット(第二の主菜)、イタリア料理で喩えるならね。
 

「ビギンズ」でヒーローが誕生して、
「ダークナイト」でヒーローを捨てて、
「ライジング」でヒーローを取り戻す。
・・・・・・たまらん。凄すぎる。

 

一級品の「ダークナイト」と双璧を為す事が出来たのは、同じレベルのアクションと濃い内容だけでなく、前作との明確な対比。「ダークナイト」がとことんまで冷徹で『クール』な作品であったならば、「ライジング」はクソ熱い『ホット』な作品。

これに燃えなきゃ男じゃないっつーぐらい、熱い展開が後半怒涛のように攻めてきて、面白さに拍車をかけました。
地上に出てきたろくに装備持ってない警察官の特攻とか、その無謀っぷりが最高で、笑いそうになった。
 

敵の目的も、ジョーカーみたいな猟奇的な気違い犯罪者の道楽でなく、泥臭い復讐劇。憎んでいた筈の父の喪失で、行き場の無い怒りに苛まれ、その矛先が父を殺した相手に向かってしまう・・・この歪んだ愛情。
どうしても比較される「ダークナイト」と、ここまで対極を貫いた故の傑作だったと思います。
 

んでもって、私はクールな作品も好きなんですが・・・それを上回って、泥臭くてクソ熱い・・・絶望から立ち上がる漢のドラマが好きなんです!
 

愛する人もいないし大切な人もいなくなったし自分も怪我してるし(そもそも独房の中だ)財産もない、誰も自分を待ってないし(と思い込めるだけの状況だった)、ゴッサムシティに恨みがあっても助ける義理なんてもう無いだろっつーあの状況で・・・・、それでも男だったら行くしかない!
その姿に惚れる!!!!
 

更に、自分の信念を貫き孤軍奮闘するブレイク刑事の存在と、痛みに耐えて立ち上がったブルースに心惹かれるキャットウーマンの躍動が、物語を盛り上げる要素になっていて、とても良いし、魅力的!!!!
レイチェルを髣髴させる守ってあげたくなるヒロイン・ミランダの存在も大きい。そんな彼女が最後アレだから、また面白い!!!!
 

勿論、レギュラーメンバーのアルフレッド、フォックス、ゴードンのそれぞれの役回りも良かった。特にアルフレッドだね。最後、執事を泣かしたのかと思わせた時はブルースを殴りたくなったぐらいだ。
他にも小さなドラマが多々あって、見所満載。

とまぁ、内容だけでも語っていたら日が暮れますし夜も明けます。

一言、この映画を評価するなら・・・・・・・・・・・・熱い!
熱いドラマが好きな人なら、絶対見て損は無い一品。
 


『ヒーロー』とは何ぞや?
「ダークナイト」ではあまりにも悲しいそのヒーロー像に泣きます。
英雄を必要としない世界が理想・・・とは言え、人間も世界もそれだけ成熟してない内は、ヒーローはいてほしい。
ウォッチメンみたいなヒーロー達の成れの果ての人間ドラマも大好きだけど・・・・、やっぱり「助けてー!バットマーン!!!」と叫びたくなるのがヒーロー映画の醍醐味。
ヒーローが自分の功績を隠して影の存在になると言うのも、一つのヒーローの形としては良いのかも知れないけど・・・・・スパイダーマンみたいに街の人達の希望を担うのもヒーローの仕事なのではないかな。
だって困った時、誰に助けを求めたらいいか分からないもの。
そういうのを感じた、「バットマン ダークナイトライジング」でした。

 

 

さて、今作は内容だけじゃなくて、キャストも豪華で、キャラクターも豊富。

クリスチャン・ベイル演じるブルース・ウェイン
イケメンの変態をやらせたらトム・クルーズ以上の実力を持つクリスチャン・ベイルは、引きこもりを演じさせても男前。あまりやさぐれ感は感じさせず、自分の人生にうんざりしているご様子。
「若草物語」から「アメリカンサイコ」まで、イケメン勝ち組の筈が損な役回りを演じる事が多い気がしますが、あまりに格好良いのでこれぐらいが均衡とれてて良い塩梅。「リベリオン」で培ったアクションが今作も冴えてます。


マイケル・ケイン演じるアルフレッド
完璧ですね。
安心のマイケル・ケイン。
シリーズ通しての良心であり、癒しであり、絶対領域。
今作では、アルフレッドの主人を想う気持ちが前面に出ていて素晴らしかった。大好き。
 

モーガン・フリーマン演じるフォックス
こちらも安心のモーガン・フリーマン。友情出演レベルですが、全く問題無し。ちょっとでも会えて嬉しい。
 

ゲイリー・オールドマン演じるゴードン本部長
ゲイリーが出てくると「こいつが黒幕」と、つい思ってしまいそうになります(笑)
今作ではアクション度は少なめかな・・と思わせて、後半は無茶やりたい放題のはっちゃけ具合。
引退まで追い込まれる老害が現役復帰して暴れるのは、燃える展開ですね。


マシュー・モディーン演じるフォーリー副本部長
そうそう、こういう役どころが必要なんですよね。
んでもって彼も最終的には本分に立ち直ってて、あのシーンは地味に良いシーンだ。
若かりし頃の面影があんまりないので、マシュー・モディーンだとすぐに気付かなかった・・・・FMJのジョーカーも年をとったものだ。


トム・ハーディ演じるベイン
見た目は「北斗の拳」の雑魚ばりなのに、あの冴えた頭脳と行動力と献身ぶりには泣かされます。
マリオンはちゅーぐらいしてやってよ。


ジョゼフ・ゴードン=レヴィット演じるブレイク刑事
今作の主眼であるブレイクを演じたジェゼフは、「インセプション」と「500日のサマー」のキャラを割って足したような、ちょっと危なっかしいけれども実力も勇気も根性もある刑事で良かったです。
見ていて途中で、「この人、ロビンになってくれないかな・・・」と思ってたから、最後のサービスシーンで爆笑しそうになりました。
ジョゼフは「インセプション」からかなり注目されてる役者なのでしょうか・・・、これまでにいないタイプの可愛い顔と地味っぷりが好きvvv 
こうなれば、ロビン成長物語を映画化するしかない!
 


マリオン・コティヤール演じるミランダ・テイト
今回の美人所の一人。エキゾチックで色っぽくて聡明で、アン・ハサウェイとは全然違うタイプの美人なので、彼女も良い目の保養。
目力があるので、ケイティ・ホームズみたいな守ってあげたくなるタイプとはちょっと違うけれど、今回は守られ役として登場して、最後のオチで楽しませてくれます。
「TAXI」の一番の出世頭だねぇ。




そして・・・・・・楽しみで仕方なかったアン・ハサウェイ演じるキャットウーマン
まさかのメイドコスで純情そうに見せかけての豹変っぷりは最高!!!!!!!!
「プラダを着た悪魔」のドジッ子アン・ハサウェイよりも「裸の天使」のやや悪女のアン・ハサウェイの方が好きなので、この屈折した美女キャットウーマンはアクションもハマッていてカッコイイ!
あの「プリティ・プリンセス」のおぼこい子がここまでの美女に成長して貫禄ある女優になるなんて・・・・・・もう大好き大好き。
バットマンに負けじとアクション盛り沢山で、すらりとしたあの長身がキャットスーツを着込んでバットポッドを自在に操って街を駆け抜けるシーンは爽快!てか、あのマシンの動きがコミカルで面白い!
 

欲を言えば・・・、ミシェル・ファイファーやハル・ベリーみたいな、もうちょっとセクシーなキャットスーツが良かった・・・・。それじゃあ、機能性が無いっちゃ無いんだけどね。やっぱキャットウーマンっつーと色気あるキャラクターだから。
んー、今回のお色気担当はマリオンだったのかな。

 

カメオ出演でリーアム・ニーソンまでご登場
もうシンドラーのイメージが払拭されまくって微塵も残ってません(笑)
今、「シンドラーのリスト」見たら、このままリーアム・ニーソンが無双してレイフ・ファインズ絞め殺すんじゃないかと想像してしまいそうです。

 


とにもかくにも、見所満載、キャストも豪華で、文句なしに面白くて、熱い!!!!
夏も暑いけど、もっと熱くなれっつーぐらい熱くて、良い!!!!

燃えて熱くなって興奮しきった後での、最後のアルフレッドとのちょっとした心温まるシーンでこの映画の虜になります!!!!

 

約3時間の長い尺の割りに飽きさせず、息もつかせぬ展開で、本当に面白い映画でした。
私的にはアメコミ映画と言えばどうしてもMARVEL勢の方に軍配が上がる事が多く、正直、バットマンにも大した思い入れがなくてゲームボーイのゲームが好きだったぐらいなんですが・・・・(でもキャットウーマンとジャック・ニコルソンのジョーカーは好きだった)・・・・、ここまで傑作を見せ付けられてはDCアメコミ映画にもひれ伏すしかありません


これまではアメコミ映画で一番好きなのはスパイダーマン三部作、ウォッチメン、XMENファーストジェネレーション・・・で、あとはどれも似たような評価ばかりでしたが、今作は上位三作には確実に並ぶので、MARVELとDCは共に素晴らしいアメコミ映画を作るのだと再認識させられました。
 

これぐらいのクオリティで仮面ライダーを見たいと思ってしまうライダー好きですが、ライダーの致命的な所はアクションよりも内容ですし、内容でしたらテレビシリーズを見た方が確実に面白いし、なにより邦画で『演技の出来る役者でストーリーで予算のあるアクション映画(しかも仮面ライダー)』と言うのは難しいのが現状ですね・・・・・・・アクションとコスチュームだけなら「仮面ライダーTHE FIRST」と「THE SECOND」はとても良かったと思うんですけどね。誰の話題にも上らないのが辛いなぁ・・・・・・・・

 

まだ「アベンジャーズ」が残っていると分かっていても、今年一番の映画にこれを挙げたい。
ハリウッドはまだまだ全然死んじゃいないよ!この後も面白い映画は目白押しだし、ハリウッドのアクション映画で映画好きになった身としては、今後もパワフルで熱くて面白い映画を期待してます☆

 

 


 

PR
Comment
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
06 2024/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
つぶやき
最新CM
[12/19 tooriaVot]
最新TB
プロフィール
HN:
yucako
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
material by bee  /  web*citron
忍者ブログ [PR]