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見た映画と本の感想を、悪文かまわず吐き出しております。やや毒舌が多いのでご注意を。
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「マンスフィールドパーク」
「ノーサンガーアベイ」

ジェイン・オースティン 著




マンスフィールドパーク
あらすじ

お金持ちの親戚の家に預けられた少女ファニーのお話。





ノーサンガーアベイ
あらすじ

元気溌剌キャサリンのおてんば物語





感想
ジェイン・オースティンを読んだのは随分前で、彼女の著作を読んでいた時にどうにもひっかかりを覚えてなかなか読み進み辛かった本があった気がしてたのですが・・・この二冊を読んで思い出しました。
それは「マンスフィールドパーク」でした。
・・・・で、今回も同じ目に遭いました。

私的には他の女主人公らと違い、この「マンスフィールドパーク」のファニーにはとても共感出来ず、好意的な意見を述べられません・・・・・。
ついでに、「ノーサンガーアベイ」はあまりに話が平坦過ぎてノリきれませんでした。ちょっと文章が読み辛かったかな。



以下、独断と偏見にまみれた辛口感想になると思いますので、批判を読みたくない方はお引取り願います。



こんな著名な作家の本を批判するなんて・・・!と思わなくもないのですがね。
でもジェイン・オースティンだから何でもイイ!ってわけでもないのですよ。








では、毒性の強い感想。
・・・と言うほどの感想もないのですが・・・・。
「ノーサンガーアベイ」はジェインの初期作らしく、他の物語と違ってあまり波乱もなく淡々と進んでいく話で、文章の書き方も何処となくほかと違う気がして(翻訳者如何で印象は変わってしまうので、的外れな指摘かも)、ノッていけませんでした。


それ以上に「マンスフィールドパーク」がダメでした。
他の小説でもよく出てくるように(てか、私が読んだ大概のイギリス文学)、自分の事しか考えない自分本位の迷惑な親戚や自惚れの強い求婚者、緑豊かな庭園や豪邸への小旅行、社交界で華やかな恋模様、分別を弁えた主人公などなど、他の本と類似している点は多々あれど、素直に楽しむ事が出来ません。

まず、この主人公ファニーが受け付けられない。

他と違って、彼女は親戚に預けられた身の上。なので、引き取ってくれた親戚家族に迷惑がかからないようずっと控えめです。
この消極的な主人公が親戚に振り回される話・・・と言うだけなら別段しんどくなかったのですが、この主人公ファニーが大人しく控えめ過ぎて、第一部は話の中心に全く絡んでこないのです。他の面々に彼女の行動や言動が影響する事はないのですが、物語の視点は彼女寄りに描かれているので、親戚や浮かれた若人達の行動を何処か非難めいた描き方をされています。
なので、単に周りの連中を嫌いになるだけの第一部でした。



続く第二部ではファニーが美しく開花して、ようやくプロポーズを受けたり、物語が進展します。
一部で既に非常識な行動を散々描かれた男から乞われても賢明なファニーは困惑して、求婚を断ります。まぁ、ここまでは想定内の展開ですけれど、彼がファニーに惚れた理由が弱いだけでなく(だってあんまり一部で絡んでなかったし・・・)、彼の気持ちに応えられないファニーの頑なな様子に苛立ちを感じてしまいます。

彼女は聡明で自分の立場を理解して常に一歩引いた立場をとっている・・・と言う態なのは分かります。
そんななのに決してプロポーズしてきた彼を受け入れようと努める事すらせず、預けられた身の上なのに恩知らずと周囲から非難を浴びる事になるのですが・・・正直、彼らの言い分は尤もであるし、彼女に同情できずその親戚に共感してしまいます。

ファニーの場合、自分の身上を理解しているとはとても思えないし、彼女贔屓の描写ばかりなので、その度を越えた謙遜の姿勢が白々しく感じられて、鼻についてしまうのです。


もし彼女が預けられた身の上でなければ少しは彼女に同調出来ただろうし、預けられた身の上だったとしてもこのマンスフィールドパークの面々を積極的に受け入れようとする姿勢が見られたなら、もっと印象は違ったと思います。

他のキャラクターもろくでもないのが揃ってるのに・・・・、ファニーが一番うっとおしい。
(特に親戚のノリス叔母さんは姑息な小悪党で偽善家で救いようのない迷惑オバサン。こんな非常識で独善的な人間って本当にいるのかな・・・・)



最終的には収まる所に収まります。
が・・・・、全く喜べないしロマンスも感じられない結ばれ方で(一応フラグは最初から立ってたけど、だからこそこの二人が結ばれるなんて安易なのは嫌だった。友情が恋に変わっていく様子が感じられなかったし)、さらりと流す程度に描かれているので、この小説は一体何が主題だったのだろうかと、つい考えてしまいます。
相手の男性も最初は良いように描かれてましたが、全体的に他の女性に恋をしている部分の方が多いので、やはり共感も出来ませんしときめけません。



恋愛主眼でなく、「マンスフィールドの奇妙な人々」ぐらいなら理解は出来るんですけれど、それにしても主人公ファニーの描かれ方が鼻につくので、やっぱり無理。

うーーん・・・本当に読むのが辛かった。かなりの飛ばし読みだったけれど、それでもえらく長く感じてしまった・・・・。



しかしながら、自分の第一印象や読み方捉え方が悪かった点も大いにあるので、他の人の解釈を読んでみたいとは思ってます。
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