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見た映画と本の感想を、悪文かまわず吐き出しております。やや毒舌が多いのでご注意を。
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湊かなえ「告白」



読了。

基本、あまり一人称の小説は・・・特にこういった文体の小説は避けがちで読まない方なのですが、易しい文章でしたのでスラスラ読んでいけて、読めば読むほどに「次は誰が出てきてどんな告白をしてくれるのか」と気にかかり、一気に読み終えられました。

うまく感想が書けるかどうかわかりませんので、ネタバレが嫌な人は読まないで下さいね。



--以下、感想


いやぁ、これは面白い。私は好きですね。
こういった一つの事件を様々な観点から見るという設定は私のモロ好みなので、一人称は気にならなかったです。

少年や少女より、この小説で気になった点は3人の母親ですね。

主人公、犯人Aの母、犯人Bの母・・・・・主人公の行動は教師としても、法社会の日本で許されざる行為ですが、理路整然と己のしでかした行為を述べ、法に委ねるのではなく、かといって直情的な手段に出るでなく、その後の人生を彼と彼を取り囲む環境に任せて姿を消した所がかっこよかった。
犯人Bの母には同情する点はあるし、主人公に対しての悪意のある思い込みは少々不愉快でも彼女は一貫して子を守ろうとする立派な(?)母親でした。
犯人Aの母は・・・・登場が突然すぎて特に感想ないですが、でもこの母の行動もとても理解出来ますし、そこまで強く責められないです(ついでにAの継母も)

母親がいない家庭はまた別として、子供の人格形成とその後の人生に最も影響を与えるのはやっぱり母親なのだなぁと・・・とちょっと思いました。中学生なら尚更なのかな。



この本で面白かったのは、話の内容一つ一つはそんなに面白いエピソードってわけではなく、ごくありきたりなものばかりで文章も狂気的でもなくて淡々としてるんですけど、角度を変えて話が続いていくので、最後がどこで終わるのか、それを期待して一気に読み進める事が出来ます。
そして、最後がスカッとしたので救いもあって良かったです。

・・・・・こういった少年犯罪を題材にした話で、もっともな理屈や正義感を定言するのは必要であり、結局最終的には主人公の反社会的な企みは失敗に終わるパターンだと思っていたので、ホント最後はスカッとしました。
私刑はよくない!
実社会ではどんなに不愉快で腹立たしくても、裁きは法で委ねるべきだと思う。
だからこそ、こんな小説があったら楽しく読めるし溜飲を下げられます。





楽しく読めましたが、今後また湊さんの作品を読んでいくかというと・・・・まだそこまでじゃないかな。
この本はたまたま職場の方に借りられたからすぐに読めましたが、図書館では湊さんの本はずっと貸し出し中なんですよね。とりあえず、今は有川浩さんの本を待ちながら、他の本をちょこちょこ借りてく予定です。
そろそろ外国小説が恋しくなってきた。
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有川浩


最近、立て続けに読みました。
どれも、分かりやすくて楽しく読めました。


「阪急電車」か「図書館戦争」を借りに行ったら、
前は沢山あったのに、映画の影響か
どれもこれも貸し出し中で
タイトルに惹かれて「クジラの彼」を借りて
自衛官の恋小説なんて面白いなと
続けて「ラブコメ今昔」も借りました。
更に読んでみたいと思って
足繁く図書館に通ってたら
「空の中」があったので借りて読んでみて
なるほどなるほどと思いながら
とりあえずは有川さんの本を借りるのは休憩に入りました。

いや、面白くなかったわけじゃないんですが
(むしろ、とても楽しかったんだけど!!!!!)
彼女の著書を網羅したいかと言うとそうではなかったので
阪急電車か図書館戦争またはシアターが借りられるようになったら
また読みたいな、と思ってますです。




<感想>

「ラブコメ今昔」は、最後の番外編の話が面白かったです。
一話目と合わせて読んでみると更に面白い。
ブルーインパルスの話も良かった!

「クジラの彼」では、二話目のトイレ論争の話が良かった。
段々親密になっていく様子がよく分かって、
女性の葛藤、男性の自衛官も好印象でした。

色んな自衛官の恋・・・なんか妙に違和感があって
楽しめました。
あんまりこういう題材ってない気がします。


↑これらを読んだ後の「空の中」だったので
自衛官の活躍(正確に言うと、自衛官側の人間。
民間の航空設計会社の人)が楽しかった。

ただ、「空の中」はちょっと心にモヤモヤが残る作品でした。
主人公の少年や事件に巻き込まれた少女のジレンマも
分かるし、泣ける話なんですけれども
「空に浮かぶ未知の物体」と言う、私からすれば
好物を放り投げられた身としては
もうちょっとその物体X(白鯨)に
焦点置いてほしかった気がしないでもないというか
ロマンを追いかけたくなった次第であります。
空を飛ぶ白鯨・・・・夢があるよね!?











獣の奏者
四部作+外伝
上橋菜穂子 著



読みました。
感想を述べる前にまずは一言。


面白かった!!!!!!!!!!!!!!!

久々に大興奮&もう続きが待ちきれないフハァフハァ状態。

こんなに面白い本に出会えたのは本当に久しぶりです(ダイアナさん除く)
どんどん読んで読んで読んで読み続けたい!
と、気持ちが焦って心を落ち着かせながら読める本にはなかなかそう簡単には巡り合えません。
あぁ、幸せ。
本を読む幸せを久方ぶりにじんわりと感じました。
図書館で借りたんですが、勿論、全部買い揃えますよ!!!!!!ギャホゥ





あらすじ
エリンの母親は、戦用に育てられている闘蛇の医術師であった。ある時、闘蛇が大量死し、異民族であった母はそれの咎を一人押し付けられる。母を救うべく村を飛び出したエリンだったが、無残にも母は非業の死を遂げ、エリン自身も生死の境を彷徨う事になる。
運良く蜂飼いに助けられたエリンは、蜂飼いの家で厄介になりながら蜂の生体を学び、そこで偶然、闘蛇を喰らう唯一の天敵・王獣に出会う。王獣に出会ってから、エリンは生きとし生けるものの「生」とは何なのか、「性」とはなんなのかを疑問に感じ、やがてその想いは運命に翻弄されながら、答えへと導かれていくのだった。


全部で四冊プラス一冊
前二冊 「闘蛇編」「王獣編」が前後編で、一つのお話。エリンの幼少期~大人の女性になるまでの間のお話。
後二冊 「探求編」「完結編」も前後編で、一つのお話。前のお話から10年は経ってます。
外伝は「堅き盾」のイアル視点のお話と、王獣舎の教導師長エサルの若かりし頃のお話。



上橋さんの著作を読むのはこれで二シリーズ目で、前に読んだのは「精霊の守り人」。こちらはアニメを先に見ていたせいか、読み進むのも早く、一冊で完結している事もあって、読後感はすっきりしたものでした。
アニメも丁寧なつくりでわかりやすく面白かったし、映像が美しかったです。小説も、アニメに劣らず、物語の伝承や細やかな生活背景や描写など、まるでアジアのどこかの国の歴史書を読んでいるかのような、精緻に描かれたお話でした。

著者が大学時代に文化人類学を専攻して学んだ事が生かされているのでしょう。物語の地盤がしっかりしています。



この「獣の奏者」もまた、アジア風の雰囲気のある世界観で、国の歴史や暮らしぶりなど、詳細に書かれています。

エリンの生まれ育った場所は大公(アルハン)と言う名で、沼に住まう闘蛇と言う獣を駆って、国境を守り、国土を広げてきました。その大公は、真王(ヨジェ)と言う国の礎となった地を守る為に作られた領地で、大公は真王の配下と言う立場でした。真王の領地は血を流す闘いを穢れとし、ただひたすらに国の安寧を祈る地で、全ての穢れは大公が引き受けていたのです。
大公には闘蛇乗りの閣下が頂点におり、その地を治め、真王には大公をも含め全ての上に立つ女の陛下がいました。
王獣は空を駆ける大きな獣で、真王の象徴となっています。ただし、真王の地で飼われる王獣は交配をせず、空も飛びません。武器として使うには恐ろしすぎる獣なので、音無し笛を使って、ただ祭事に飾られるだけの存在です。
一方、王獣の天敵と言える闘蛇は、大公では多く戦闘用に飼育されています。エリンが育ったのは、その闘蛇を育てる闘蛇村で、闘蛇が大公の象徴でした。
やがて国が大きくなっていくにつれて、その形に疑問を持つ者が現れます。大公の領地の人々は何故自分達が穢れを一手に引き受け、真王の人々がのうのうと戦を逃れて生きているのか。どうして大公ではなく、真王が国の頂点なのか、と。
大公閣下を国の頂点にと望む者が現れ始め、真王は命を狙われる事となり、『堅き盾(セ・ザン)』と言う、その名の如く命を盾にして真王を守る組織が結成されます。
国は大きく豊かになるにつれ、二つの権力がひそやかに拮抗していくのが、この物語の下地になっていて、エリンが過酷な運命を辿る要因です。



物語の素地になったこの二つの権力の話は面白いとは思いますが、それよりまずこの物語を読んでみようと思ったキッカケは、闘蛇と王獣、この二つの動物の医術師になると言うコンセプトに惹かれたのでした。
著者の想像上の動物の医学を、どこまでリアルに描かれるのか、とても気になったもので。それも音を奏でて交流を試みるならば、ますます興味がそそられます。

エリンと闘蛇の触れ合いはあまり描かれなかったのですが、王獣との触れ合いはベタな動物モノと言ってしまえばそれまでですが、やはり感動しますし、蜂飼いの元で学んだ事が次の王獣舎でも生かされていて、これまで体験してきた中で知らず知らず多くの事を学んでいるのだなぁと感心しました。
(いやー、私なら糞でそんなん気づかないだろーしなー)


闘蛇と王獣の関係、そして忘れ去られた過去の伝説。
ゆっくりと謎を解き明かしていきながら、エリンは何度も己の壁にぶつかり、自問自答します。それが運命だからとただ流されるだけでなく、昔からこういうものだからと掟をただ受け止めるのではなく、自分の意思で運命を決定し、掟を破っていくのです。
「ただ生まれたものを、あるがままに」
この信念のもと、エリンは生き、それを貫き続けるのです。

母親の凄惨な死、その後のジョウンとの山での日々から、エリンが「知る事」の喜びを覚え、そこから「生きる」と言う事は何なのかをずっと追求し続けてきたのだなぁと、外伝を読んで思いました。




以下、ネタばれ含む感想ですので、これから読もうと思っている人は読まない方が吉。







個々に楽しい人物やエピソードが満載で、泣かずには読めない台詞の数々もここでとくと語りたいのですが、それをすると、「えぇいもうまどろっこしい!!!読んでくれ!!!!!」と、明らかに読んだ方が早いので細やかには語りませんが・・・一人だけ・・・特筆して語りたいと思います。

それは「神速のイアル」!

闘蛇・王獣編は普通に楽しんでエリン視点でしたが、探求・完結編は途中からイアルの事に関心が集まってました。
探求編のヨハルとの闘蛇村の話も勿論とても面白かったんですが、エリンが誰と結婚したのか気になってて、出来ればトムラかイアルがいいなと思ってたんですけど、まさか本当にイアルだった時は小躍りしたくなりました。
あのイアルが一体どんな話があってこんな事に・・・・?!と、二人のやり取りがあんまり想像出来なくって、勝手に想像してにやにやしました。
闘蛇・王獣編でイアルの過酷な運命の先にはきっと戦いで命を落とす事になるだろうと思っていただけに、幸福とは言えないけれども静かで穏やかな日々を過ごせたのだと思うと嬉しいです。
8歳の頃に理不尽にも売られ、盾となって生き、多くの人を殺した身としては、きっと心穏やかな日常など想像も出来なかったに違いありません。
何処か自分の人生の区切りを意識しながら生きていたようなイアルが、セ・ザンの誓いを解いた後、どんな風に生きるのか生きる意志が果たしてあるのかと心配していたのですが、彼がこの先を生きていこうと決めたエピソードが「外伝」にありました。
「あなたは自分の生に後悔しかないの?」
この一言は強烈でした。
生き物は誕生を選べない。その生に後悔しかないのか。その運命を受け入れるしかないのか。
私は人生を諦めたくない、だから、どうかあなたも諦めないで。
そう乞うエリンの言葉がずっとイアルの胸に残っているんでしょう。

どんな酷い道しか前に用意されてなくても、その道をどう進んでいくかはその人間の気持ち次第なのだと思いました。
勿論、それには弱さに負けない心が必要なのですが、その逞しい心を作っていくのも、その人間がどういう歩き方をしたかによって変わるんでしょうね。


生きると言う事を強く意識して生きているエリンがイアルを救う存在になるのは納得がいき、過酷なエリンの運命に寄り添えるだけの強さを持っているイアルだからこそ、二人が添うのは自然な流れだったのでしょう。

心の支えだけでなく、実際、彼ほどエリンを支えられたのは、師長のエサル以外いません。
実戦経験を持ち、優れた技能と知性と冷静な判断力を持っていて、尚且つ辛い道を厭わないイアルは、エリンが王獣使いにならざるをえなくなった時、闘蛇乗りに志願して大公と真王の兵士達を結ぶ架け橋になって、エリンを助けます。
イアルが闘蛇乗りになると言い出し、困惑するエリンの目をものともせず、大公の申し出を蹴り、自分の意思をきっちりと言い切った時、その時の言葉を読んだ瞬間、痺れました。
大公がイアルの立場を慮ってくれ、彼を後方部隊の上級武官に、とあまり危険ではない配置をしてくれたのに対し、それを蹴り、何故だと問われて、一言。
「最前線を駆ける覚悟のない者に、武人は敬意を抱かぬからです」

・・・・かっこよすぎだろ、イアル!!!!
もうこの台詞が一番印象に残ってる。かっこよすぎる。たまらん。
イアル自身が武人だからこそ、思える言葉なんだろう。
にしても、真王を諌めたり、大公に反論したり、こいつは一体何者だ(笑)



この本を読む直前にたまたま「ドールハウス セカンドシーズン」の4巻目まで見ていたせいで、頭の中で
エリン=エコー(エリザ・ドゥシュク)
イアル=ポール・バラード(ターモー・ペニケット)
これで想像して読んでましたvvv 
ポールの頑固で真面目な所がイアルっぽくて(*^w^)


さて、イアルについて語ると、ここから二次創作小説が始まりそうなのでこの辺にしておいて、後はザッとでありますが、この物語の特筆したい点をば。



なんといっても・・・数々の聡明なキャラクター達。
普段ダイアナ小説の台風キャラばかりを読んでいる身としては、先を見通して己を自戒する良心を持つ人々ばかりが出てきて驚かされます。少なくとも、私が今まで読んできた小説ではありえない。
癖があるわけじゃないけれど、それぞれがそれぞれの立場に立ち、最良の道は何なのかを探り、それを適える為にはどういう道筋を辿れば良いのかを考え、行動してます。それ故にぶつかってしまう部分が出てきてしまうのは仕方なくて、政治に関しては現代の我々の社会の歪な構図に似ている所もありました。
分かりやすい嫌なキャラも勿論出てきますが、一人を除き、さして重要じゃないですからね。そのキャラクター一人を悪に押しとどめるのでなく、一般的な人を象徴させるだけの登場なので、そのキャラクターに苛立たされる事は少ないです。
イアルの他にかっこいいと思ったのは、大公でした。
彼は良い武将です。
自分をヨイショする身内だけを周りに置くでなく、彼の言動や行動から、末端までを気にかけてるのがよくわかりますし、真王セィミヤに対する態度が非常に男らしかった。


闘蛇と王獣に関しては、そこまでこの動物に興味をそそられはしなかったのだけれども、子孫を残す為に生命とは不可思議な生態を持つのだと思いました。これを思えば、異種であろうとも生きるものはみんな一つの群れの中で生きて均衡を保っているのだと、そう感じました。人間も含むね。




上橋さんの書かれる小説はとても丁寧で分かりやすく、淡々と描かれた中にはっとするような一文が潜んでいて、読んでいる手が止まる事がしばしばありました。
何度も読み返したくなる、そんな小説です。
優秀すぎる優等生の書いた、超優秀作。



もうしばらく獣の奏者に浸った後、守り人の続きも読んでみようかなーと思いますです。
・・・・原作を先に読んでしまったので、多分アニメは見ないです。



最後の名句を一つ。

『人は今しか作れない』
心に沁みる言葉です。





「精霊の守り人」

<あらすじ>
川に流されたヨゴ皇国の第二王子チャグムを、偶然救った流浪の女用心棒バルサは、第二王子の母君からチャグムは父である帝から命を狙われているので、この子を連れて逃げてくれと頼まれる。
わけあって8人の命を救うと決めていたバルサはその願いを聞き入れ、帝の追っ手をかわしながら、チャグムを連れて逃げる。
何故、チャグムが父から命を狙われるのか。それはチャグムの腹には、異世界の水妖がとりついていたからであった。



<感想>

友人宅でDVDを約半分見て、後は借りて残り全部見終え、さてアニメとどう違うのやらと思って一冊借りてきて読んでみました。アニメで既に知識が入っていたおかげで、さくさく進んでさっさと読み終わりました。文章もとても読みやすく分かりやすかったからでしょう。

アニメは原作よりも大分内容を割り増ししたり、割と重要なポイントのものを逆の意味で使ったり、さしてスポットが当てられてなかった人によいように話を膨らませているので、それがいいか悪いか判断はつきにくいのですが、アニメ→原作の順で見た私としましては、どちらもそれぞれ面白かったです。

アニメはなんといってもあの綺麗な作画やキャラデザが良く、東南アジアを髣髴させるような雰囲気もまた独特で、目で楽しめました。付加えられた内容も、どのキャラも損しない(いや、一人ちょっと損してるか 笑)ように、中だるみの話だったとしても、一話一話にちゃんとストーリーがあって面白かったです。

原作の方はわりかし淡々と進むんですが・・・そのサクサク進む具合が良かったかな。


そういえば、アニメの中だるみの話の中でめちゃテノールのいい声のバルサに恨みを持っている敵が出てくるんですが(声がクロコダイルと同じwww)、その話の時のバルサが得た“何か”が分からなかったので原作読めば分かるかと思ったら、そもそもそんな話やキャラ自体原作になかったので、結局分からずじまい。そういや鍛冶屋も出てこなかった=3

精霊の守り人はシリーズ化して本数が進んでいくので、もしかしたら後の話でそれぞれのエピソードが出てくるのかもしれません。また折を見て読んでみたいと思います。








あと、やっとのだめ全巻読み終わりました。
昨年から買って時間が出来たらゆっくり読もうと思ってたので、良かったなり良かったなり。
やっぱのだめ面白いなぁ。
最後のオペラの終わり方、好きです。

のだめで一番好きな話は彩子のコシファンタッテで、次にモーツァルトの話。
ミルヒーの悪魔の誘いも好きvvv

一度モーツァルトの話をじっくり読んでみたいな♪


レディ・パイレーツ
セリア・リーズ


読む易く、とても面白かったです。
昔から冒険譚が好きな癖に、ファンタジー以外ではあまり読んだ事がなかった気がします。
これはファンタジーではなく、大航海時代を舞台に自ら海賊の世界に飛び込んだ女の子のお話で、割と現実的なので中高生向けの児童書でしょう。大航海時代と言うよりは、奴隷貿易を始めた時代と言った方がいいかな。
その辺も奴隷側からの目線と主人側の目線があって、奴隷貿易の凄惨さがよく分かります。

主人公ナンシーはそんな時代に「女性に生まれた」ゆえに、父や兄によって運命を決定付けられていました。しかし、昔から男の子と混じって遊び、父の本から色んな知識を得ていた活発な彼女はその運命に逆らい、何の因果か再会した海賊と共に海へと逃げるのです。
その海賊の船長と船医ってのが、またイイ味だしてて、二人ともナンシーがまだお嬢様扱い受けてた頃の元乗組員でした。彼らも海上で決断を迫られて海賊に転職?したのでした。
主人公ナンシーと行動を共にするのが、彼女の家に仕えていた奴隷の女性で、二人して海賊の世界に飛び込んでいったので(他にも色々理由があり)二人は姉妹の契りを交わすのです。

感想を話すとすごく長くなりそうなんで割愛しますが、この小説の魅力的な部分は次々と襲い掛かるトラブルと海や島の描写です。南国の暑さが伝わってきそうな文体と荒れ狂う海の様子がありありと分かる描写。晴れ渡った海。海や南の島が好きな人には胸躍る小説です。
野郎ども、出航だ!なんて言いたくなります。
んでもってなんと言っても、登場人物がまぁベタだけどカッコイイ連中が多い!!!!
ナンシーも勿論ですが、その友達ミネルヴァもなんかスマートでかっこよくて、・・・・・まぁ一番はブルーム船長と船医グレアム先生ですが。海賊だからといって無法者ばかりじゃないと言う事をしっかりと教えてくれる、かっちょええ船長さんです。いつだって冷静なグレアム先生も、二人とも紳士で素晴らしいです。
女性が主人公らしい展開として、愛した男が海賊の敵の海軍へとキャリアを進んでいるんですね。ウィリアムもイイのよ、ほんと。誠実で、決断力があって、凛々しいvvvv
そして、ラスボスもちゃんといるのがまた面白い。

なんかね、エンターテイメントの基本を全部ぶっ込んだ優等生の描いた小説って感じなのですが、たまにはこういう正統派の小説も新鮮で面白い!!!!(私が愛読しているダイアナさんの本はひねくれてるのが多いからね・・・)

あと、当時の奴隷貿易の様子が垣間見えて、勉強になります。
海賊さえも避けて通る奴隷船・・・・。
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